残酷

20XX年1月13日

夫はずっとイライラしている。

特に、息子に勉強を教えるときに激昂する。

息子が夫の教えた通りに理解できないのは、夫の教え方にも問題があると思う。

つまらないから違うことを考えてしまうとか、全く理解不能だから耳から耳に通り過ぎちゃう、、、なんてことは大人だってあることだ。

話し方や言葉のチョイスなど、人に何かを教えることは難しいことなのだ。

特に、血の繋がった子供に勉強を教えるなんぞ、並みのスキルで出来ることではないと思う。

うまく教えられないことについて、夫を責めたいわけではない。

そもそも親が子供に勉強を教えることは難しいことだから、家庭教師とか塾とかあるのだと思っている。お金はかかるが、第三者に頼ることも検討の視野に入れたほうがいい。

でも、夫は絶対に、納得しなかった。

一ミリも、私の話に耳を傾けなかった。

ひたすらに、日々エスカレートしながら、息子に勉強を教え続けた。

夜、また夫は息子に怒った。

夫は息子に、「出ていけ!!」と言った。

いつもは止めに入る私だが、私が仲介に入ると、夫の怒りが更に助長することが多かった。

今日は見守ろう。黙って、二人の様子を見る。

息子は仕方なく、コートを着はじめ、出ていく身支度を始めた。

泣くと、更に夫が激昂することがわかっているので、懸命に泣くのを堪えているのが、傍目からわかる。

もうこれは、録画を撮ろう。

もし息子が出て行ったら、もちろん私も出て行き、とりあえず一緒に私の実家に逃げよう。

内心、私はそう決心し、事の成り行きを見守った。

夫は、何かに気づいたのだろうか。

急にテンションが変わり、声のトーンが変わった。

「なんで、出て行くの?」と夫が言った。

・・・・・ハ?記憶喪失ですか?

もはや怖い。

私も息子も黙って、夫を見つめる。

夫が言葉を続けた。

「なんで、出て行くの?

パパに言われたら、なんでもやるの?

死んでって言ったら、死ぬの?」

・・・・・え?なに? 意味がわからない。。。

息子はとうとう泣いた。

私は別室に息子を連れて行き、抱きしめ、色々話した。

息子が落ち着くまで、むしろ楽しい話をした。

どうか、息子の心が壊れませんように。

それにしても、夫は、自分のイライラを止められないのかもしれない。

いや、イライラを誰かにぶつけているのだ。

一番言いやすい息子に、ということなのか。

「躾」というようには思えない。

私は悩んでいた。

この先どうすればいいのか。

誰に相談したらいいのか。

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