20XX年3月29日
息子は小さい時からアトピー性皮膚炎である。
皮膚科に通っているが、保湿剤とステロイドを処方されるだけで数年経過し、息子はもうすぐ小学6年生になる。
最近の癒しの趣味であるアロマテラピーは、近所に住むママ友達と一緒に講習会などに行って楽しんでいる。
そこで、アトピー性皮膚炎に効くというアロマ保湿剤を教えてもらったので、息子に試してみたかった。
長年ステロイドに頼っていることがずっと気になっていたのだ。
今朝、息子の湿疹がまた酷くなっていたので、ママ友から情報を仕入れたアロマ保湿剤を息子の肌に塗ろうとした。
すると、それを見た夫が急に怒りだし、
「やめろよ！！」
夫の大きな怒声にびっくりしたが、息子の皮膚炎をとにかく良くしたくて、夫の言葉は無視して、保湿剤を息子の皮膚に塗ろうとした。
すると、夫が突進してきて、私の身体を突き飛ばした。
夫は、私の体重の二倍近くある巨体である。
その巨体が、私を思いっきり突き飛ばしたのだ。
当然、私の身体は吹っ飛ばされ、床に尻もちをついた。
そして、私が起き上がろうとしたところを、更にまた突き飛ばした。
それを何度も繰り返した。
４回ほど繰り返したところで、私は携帯でその様子を撮った方がいいことに思い当たり、急いで携帯を取り出して夫の様子を動画で撮ろうとした。
すると、夫は私の携帯をすかさず取り上げ、遠くに投げた。
私は携帯を拾いに行き、その場からまた動画を撮り始めた。
すると夫は、それは困ると思ったのだろう、私の近くに寄って来ず、なるべくカメラインしないように動いた。
私はどうしても、息子の皮膚炎に効くと聞いた保湿剤を試したかったので、動画を作動させた状態で、息子に保湿剤を塗布した。
すると夫は、「何、息子の裸撮ってるの？」と言ってきた。
息子はシャワー後で服を下着だけの状態であった為、それを聞いて息子は当然嫌がった。
しかし実際には、私は夫を近寄らせないための動画撮影であったため、息子の足や床しか映っていない。
私は息子に、
「ちがうよ、裸なんて撮らないよ。
パパがママに乱暴するから、そのことを記録しているだけ。
あなたの足しか映ってないよ。」
と言ったが、息子が嫌そうだったので、動画はすぐ止めた。
そして、
「〇〇くん（息子の友達）のママから、この保湿剤を勧められたの。
〇〇くんもアトピーだけど、このオイル塗ってたらすごく良くなってきたらしくて。
だからママも、これをどうしても貴方に塗ってあげたかったの。
嫌だったらやめるね、ごめんね。」と、息子に謝った。
私はその後すぐに会社に向かった。
出勤中、動悸が止まらなかった。
さっきは、夫の暴行は怖かったが、それよりも息子の肌を治したい一心で、夢中になって立ち向かったけども、時間が経つと、怖くて身体中が震えてきた。
夕方帰宅したら、また夫から暴力を奮われるだろうか。
怖くなったので、すぐに義母に電話をして相談した。
話の顛末を全て話すと、義母は怒りと悲しみで、何度も私に謝った。
そして夕方、義母と義父の二人で、家に駆けつけてくれた。
私はまだ就業中で会社にいたが、自宅には夫と息子がいた。（夫は完全にリモート中でいつも家にいる）
以下の話は、私はその場にいなかったので、その後、義母から聞いた話だ。
自宅に着くや否や、義母は夫を問い詰めたそうだ。
「calimero（私）ちゃんを突き飛ばしたんだって！？？」
すると夫は激昂し、義母が持っていた荷物（ショッピングバッグ３つくらいを持っていたそうだ）を全て、玄関から廊下に放り投げて、
「出てけよ！！！」
と怒鳴ったそうだ。
息子は学校から既に帰宅しており、その場にいたそうだ。
義母は夫からそんなことをされると思ってなかったので、びっくりして、息子にその場を見せてはいけないと察し、息子を外に連れ出したそうだ。
義父をその場に残し、夫には義父から話をするようにして、義母は息子を連れて外に出た。
外に出て、義母は息子に優しく話しかけた。
義母「今朝、パパがママを突き飛ばしたんだって？」
息子「うん。」
義母「どうして、ママを守ってあげなかったの？」
息子「だって、、、パパこわいもん。」
義母「でも、ママ、かわいそうだよね？
ママのこと、大好きでしょ？」
息子「うん」
義母「じゃあ、ママに優しくしてあげてね」
息子「うん！」
私は、息子と義母の以上のやり取りを会社で聞き、号泣してしまった。（この後、義母がすぐに私に電話してきてくれて、詳細に教えてくれたのだ）
世界で一番愛おしい息子への想いと、心ない夫への怒りと悲しみ。
そして何より、義母と義父の公平な態度と立派な行動。
お二人には、今でも感謝しかない。
しかし、そんな二人の子どもである夫は、全く反省もなければ、良心の呵責もない。
これからますます暴行がエスカレートしていくのである。
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