ごみ箱とDV

20XX年5月16日

私は家の中に物が溢れかえっている状態が好きではなく、できるだけ収納したいタイプである。

我が家は数年前にリフォームし、収納を沢山作ってもらった。

キッチンに取り付けてもらった棚の下段には、大きなごみ箱が二つ入るように、あらかじめごみ箱のサイズを計って、高さを合わせて棚を作ってもらった。(といっても可動式の棚)

なので、リフォーム以降は、その棚の下段にごみ箱を二つ設置している。

しかしここ数日、私が仕事から帰宅すると、そのごみ箱二つが棚の外に出ているのだ。

大きなごみ箱なので、当然、キッチンを塞いでしまって邪魔なので、棚内にしまおうとすると、ごみ箱を入れていたスペースに、買い置きしたサランラップやごみ袋などが数点入っている。

買い置きしている日用品は、他に収納している棚があるので、そちらに移動して、その中にごみ箱二つを入れ直す。

この作業を、ここ毎日やっている。

小学5年生の息子がそんなことをするはずもないので、きっと夫の仕業だと思うが、私の毎日のその入れ替え作業を見ても、特に何も言ってこない

不気味を通り越して、怖い。。。

今朝も、起きてキッチンに行くと、ごみ箱が二つ外に出ていた。

夜中に、、、?わざわざ、、、?

いつものように、元の棚にしまおうと、棚の扉を開けると、ごみ箱の高さより低い位置に仕切り版が設けられており、ごみ箱が入らないようになっていた。

え、、、わざわざ夜中にこんな作業してたのかな。。こわい。。

仕切り版を外したりしなくてはいけないので、余り声をかけたくはなかったが、しぶしぶ夫に言った。

「ごみ箱がこんなところにあると邪魔だから、中に入れたいんだけど。」

夫は無視して携帯をいじっている。

まぁ、でも私の意志は伝えたしいいかと思って、私は仕切り版を外し始めた。

すると、ソファーに座っていた夫が、急に立ち上がり突進してきた。

そして、仕切り版を外すために、キッチンの床にしゃがんで作業をしていた私を、思い切り突き飛ばした。

「お前が邪魔だ!!

どけ!!どけ!!!」

態勢が崩れて、床に尻もちをついている私を、上から見下ろしながら、更に、

どけ!!どけ!!!

どけ!!!!」

と何度も怒鳴って、足で私を何度も押しやったのだ。

縦にも横にも大きな大男に、そんなことをされたら、どれだけ怖いか。

気丈な方である私でも、何も為す術がなかった。

驚きとショックと恐怖で、夫の姿を見上げることしか出来なかった。

視界の端に、息子の姿が見える。

ダイニングテーブルの椅子に座っている息子は、黙って下を見つめている。

怖いに決まってる。

 

結局、夫はなぜ、ごみ箱二つを棚にしまいたくなかったのかわからない。

数日後、ごみ箱は一つ捨てられ、もう一つはよくわからない場所に無造作に置いてある。

ごみ箱を入れていた棚の中には、日用品の備品ストックが入れられているが、他に元々備品を入れる用として活用していた棚があるので、ここにそんなに入れるものはない。

要するに、中はスカスカなのだ。

何がしたいんだろう。。

私からは、単なる私に対する嫌がらせにしか見えない。

他に納得できる理由があるなら、是非知りたいものである。

しかしこれまでは、夫からは暴言や、めちゃくちゃだな、、と思うような発言はあったものの、DVはこれが初めてだった。

怪我をしたわけではないが、突き飛ばすのは立派な暴力だ

それ以降、夫に近寄ると恐怖を感じるので、なるべく視界に入らないように暮らしている。

そして何より、息子のことが心配だ

父親が母親を突き飛ばす姿を見たのだ。

普通、トラウマになる。

息子はあの日、その現場を見て、黙ってうつむいていたが、その後、何事もなかったような感じで過ごし、学校に行った。

息子に声をかけたかったが、そばに夫が目を光らせていて、私は何も言うことができなかった。

その後も、夫はいつでも息子にべったりと近くにいるので、あの事件について息子と話すことは出来なかった。

 

 

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