話し合いという名の拷問

20XX年2月23日

夫と話し合いの日になった。

3日前に一応受験した国家試験は、自己採点の結果、不合格のようだった。

せっかく二年半も大学院に通って勉強してきたから、受かるまでは毎年受験しようかな、とも思ったが、この夫との関係や環境を整えない限りは難しいなとも思われた。

いずれにせよ、今日は夫と話し合いの日である。

夫は当初から離婚一択のみ、私の謝罪は受け入れない、息子は自分が育てるから私は家から出ていけ!という強固な姿勢を崩さなかったが、今日は事前に日程を決め、息子を友人家族に預けて、改めて設けられた話し合いなのだ。

夫は何か心の変化があるだろうか、と淡い期待もある。

朝早くから始まった話し合い。

夫はまず、これまでと同様の主張を掲げた。

離婚して、息子は自分が育てるので、私は家から出て行ってほしい、と。

そして、脳波が測れるクリニックでの結果を見せられた。

前頭葉は疲労しているが、特に精神的な病ではないと言う。

また、その前に行ったメンタルのクリニックで、ドクターの話を録音したものを延々聞かせられた。

病気説 – 進撃のモラ夫 (shingekinomorao.com)

事前に義父に聞いていた通り、ドクターはめちゃくちゃに私を批判し、「俺だったら、そんな嫁は家からつまみ出すね!」などと言っている。めちゃくちゃだ。

しかし、夫がドクターに話したはずの実情の相談の録音はなかった。

というか夫の声はほとんど聞こえない。

どのように夫が私のことをドクターに話したかについては、その録音からは全くわからない状態だった。

全貌が不確かだし、そんなことを言い出すドクターは疑わしいし、色々な意味で、その録音を聞くことに意味を見出せなかった。

1時間くらいの録音だろうか、それを聞かされた後に、夫は精神的な病ではなく、私への批判は客観的に見ても正当のものであるかのような主張をした。

よくわからないが、だからと言って、私の言葉で夫を傷つけたとしても、私が離婚に応じ、大切な息子を手放して、結婚後に購入した自宅から出て行かなくてはいけない、とは到底思えなかった。

ただ、夫の声、顔、言い方はきつく怖いので、「意味わかんない!!」と本音を言える雰囲気では全くなかったのだ。

ただただ、私は頷き、

「そうか、、、傷ついたんだね」

「ごめんね。私が悪かったね」

「もうそんな言い方は二度としないよ」

と謝り、彼が溜め続けていた鬱憤を全て吐き出してほしいと願った。

全てを吐き出し、私がそれを受け入れて、自分が悪かったと謝ることが出来たなら、また夫婦としてやり直せるのではないだろうかと思った。

雨降って地固まる

今まで夫は我慢し続けてきたと言うくらい、本当に、私たちは口論したことがなかったのだ。

私が怒ったり、こうしてほしいこうしたいと話し合いを持ちかけても、夫は自分が批判されていると感じると、黙ってプイっと、どこかに行ってしまう人だった。

だから、夫と結婚してから12年ほど経つが、口論になることが一度もなかったのだ。

むしろ、夫の本音を初めて聞くこの機会は、私たち夫婦にとって、恵みの雨になるかもしれないとさえ思った。

育ちや環境が異なる人同士が一緒に住むのだから、誰だって快不快が出てくる。

恋人同士の時は我慢したかもしれないが、一緒に住み、長く家族として生活していると我慢なんてできない。

互いの快不快を話し合って理解し、譲るところは譲ったり、中間案を採用したりしないとやっていけない。

夫は私に「これはやめて、あれをやめて」等々の文句を言ってくることもないが、私のしたいように尊重してくれるわけでもないのだ。

夫は私にも何かを求めないが、その代わり、自分のしたいように、したいことをする人。

私がそれはやめてほしい、、と言っても、言い合いになることもなく、スルーされるだけなのだ。

互いに思いやりを持たないと、結婚しているといっても他人同士が一緒に住むことは困難だと思っている。

だから、これまで夫が私と向き合って話し合ってくれないことに、非常に苦痛を感じていた。

かつ、ほとんど自分のことを話さない人なので、夫と何かを共有することが難しいと悩んでいた時期があった。

彼から感じたことや考えていること等々、彼の自分にまつわる話を何もしてくれないので、一緒に経験したことでも、楽しいや悲しい等の感情の共有が出来ないと感じるようになり、徐々に、彼のことが理解出来ないと思うようになった。

一緒にいるけど寂しい、そんな感じだ。

そして、彼と一緒にいることの意味は何だろうかとさえ、考えることもあった。

息子が5,6歳くらいの時だっただろうか。

私は夫と色々なことを話し合うことが出来ず、快不快や感情の共有も出来ず、非常に悩んでいたのだ。

しかし、息子もやんちゃ盛りで忙しかったので、だんだんとそんなことを考えないようになった。

考えても仕方がないというか、息子にとっては良いパパだと思ったので、そこが崩れなければいいと思うようになったというか。

そんな時期が過ぎて、息子が小学校4年生のこの時期に、夫から突然の離婚宣告だったのだ。

こうした状況下だったので、私はこの話し合いには実は僅かな希望を持っていたのだ。

雨降って地固まる、だったらいいな、と。

数日前に夫に手紙を書いたのも、この話し合いの前に、夫が私と向き合う気持ちになってほしいと思ったからだった。

長い手紙 – 進撃のモラ夫 (shingekinomorao.com)

しかし、話し合い冒頭から雲行きは怪しい

夫の主張は全く、微塵も、一ミリも変わってはいなかった。

更に、夫は言った。

「この前、手紙をありがとう。

読んだけど、

 

全く心に響かなかったから、

 

やっぱり離婚しようと思った」

え、、、、何それ。

心に、、響く、、?

私、別に感動的な小説とか書いたわけじゃないんだけど、、、

何を期待しているの?

夫の心に響く手紙が書けていたら、離婚しなかったということ??

文才?

私に文才を求めてる?

 

 

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