狂気

20XX年1月30日

昼間、息子に「夕飯は何が食べたい?」と聞いたら、「とんかつ!」と答えた。

息子と夫は、ボクシングの練習に出かけた。

私はとんかつの材料を買いに行き、下ごしらえして、家族の帰宅を待っていた。

揚げるのはすぐなので、帰宅してから揚げよう。

しかし、なかなか帰ってこない

いつもならとっくに帰ってくる時刻だが。。

大分経ってから、夫と息子が帰ってきた。

私は息子に、「遅かったね。どうしたの?」と聞いた。

息子はとても言いにくそうに、「ボクシングの帰りに、サイゼリヤに寄って、皆でご飯食べちゃったの。。」と言った。

夫は酔っぱらっている様子で、さっさとベッドに入り寝てしまった。

息子は、「ごめんね。。ママがトンカツ作って待ってるから、ってパパに何度も言ったんだけど。。

パパが、いいからいいから、って言って、たくさん料理頼んじゃったの。」

結局、お腹が空いていた息子も我慢が出来ず、運ばれてきた料理を食べてお腹いっぱいになってしまったらしい。

息子は私に何度も謝った。

私は「貴方は悪くないよ。大丈夫。謝らないで。

でも、また同じようなことがあったら、ママに電話してくれると嬉しいな。

もしくは、家でご飯用意されてるからって断るとかね。」と息子に言った。

息子は「うん」と言って、お風呂に入りに行った。

すると、ベッドで寝ていると思っていた夫が起き上がり、私に話しかけてきた。

夫「さっき、息子に注意してたけど、息子だって人との付き合いがあるんだから、そうやって人間関係を狭めるようなこと言うの、やめて。」

・・・ハ?

だったら、息子の希望で夕飯にトンカツ作る、っていう今朝のやり取りを傍で聞いてた夫が、サイゼリヤに連れて行くことこそやめてよ、って感じだ。。

でも、サイゼリヤに行ったのは、息子と夫だけではないみたいだし、ボクシングの仲間達と行こうという話になったのかもしれないな、と考え直した。

お風呂から上がった息子が、私たちの様子を見て、「どうしたの?」と言ってきた。

私は息子に、「さっきはごめんね。

お誘いがあって断れない中で、ママのこと気にしてくれたんだね。

ありがとう。」と言った。

すると、傍にいた夫がネチネチと私に文句を言い始めた。

夫「そうだよ、ママはいつも自分のことばっかなの、やめて。

そういうとこだよ。

どういう気持ちになるか、ママは自分がやられなきゃわかんないでしょ。

だから、わざとやったんだ。

・・・・ハ?

わざと、、、サイゼリヤに寄って、私の用意していたトンカツを息子が食べれないようにした、ってこと。。。?

え?どーゆーこと?

っていうか、自分がやられなきゃわからないでしょ、って、、、、私はそんなこと一回もやったことないけど?

夫が食事を用意していることを知っていながら、息子と夕飯を食べて帰ってきたことなんて、一度だってないよね!!!??

何のこと言ってるの??

本当に意味がわからない。。

戸惑う私の横にいた息子も、嫌悪感を抱いたようで、

息子「ぼくは、ママとずっと一緒に住む!」と言った。

夫はそれには応じず、更に私に言った。

「ママ、どんな気持ち?

やられたらわかるでしょ。」

息子も怯えた表情をしている。

私はそれ以上、息子を怯えさせたくなくて、

「今、パパとこれ以上話したくない。」とだけ伝えて、息子を連れて、一緒にベッドに入った。

私も息子も、それ以上言葉を交わすことはなく、静かに抱き合って眠った。

 

 

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