長い夜

20XX年12月25日

Googleフォトを見る手が震える。

横でテレビを見ながら笑っている息子が遥か遠くに感じる。

私はそのまま、Googleフォトの画像を見続けた。

2週間前にあった息子の小学校の音楽祭の前日も、そのママ友と夫はメールでやり取りしていた。

料理で留学経験のあるママ友は、美食家かつ料理好きで、美味しいものを沢山知っている。

夫にお勧めのドライフルーツがあるらしく、「音楽祭に持っていくね!」という親密なメール。

そして夫の返事は、

「あいつ(私のこと)も音楽祭に来るし、怪しまれたら嫌だから、明日は持ってこないで。

でもすごく食べたいんだよ!

気色悪さに身の毛がよだつ。。。

あの音楽祭の日、偶然なのか、私と夫の前に、そのママ友が体育館に入る列に並んでいた。

ママ友は、不自然なくらい、夫には話しかけず、私だけに、やけににこやかに話しかけてきた。

何も知らない私は、そのママ友と他愛無い会話をしながら、体育館に入るまでの時間を過ごしたことを覚えている。

なんて、ひどい人なのだろう。

そのママ友の平静でにこやかな顔を思い出すと、恐ろしさに頭が痛くなる。

また他の日、このママ友と夫の秘密のメールのやり取りは、近所の雑貨屋さんの話で盛り上がっていた。(Goggleフォトにスクショが入っているのでダダ洩れ。夫は気づいていない。)

お洒落な毛玉取りを自分用のクリスマスプレゼントに買ったというママ友。

そのママ友が「素敵だから行ってみて!」と教えてもらった欧州食器店に、「言われた通り、チャイグラスを見に行ったよ」と返事する夫。

まるで恋人同士の会話だ。

2人の浮かれた様子の会話に、吐き気がする。

そういえば、ひと月ほど前に、夫が私に「トルコのチャイグラスが素敵だ」と唐突に、話しかけてきた。

「そうなんだ、買うの?」と聞いたら、

たぶん、貴方は好きじゃないと思う僕は素敵だと思うけど。

と夫が答えたことを思い出した。

変な会話だと、若干の違和感があったからだ。

そう思ったような気がする。

別にグラスを買うくらい反対もしないけど、一体なんだったのだろう。

夫は、トルコグラスを素敵だと言ったママ友の感性が好きで、私がトルコグラスは嫌いだと言うだろうと、試していたのだろうか。

しかし、夫には悪いが、私はトルコグラスが好きだ。

それとも、ママ友との親密な会話の一部を、私に遠回しに話すことで、特別な気持ちになったのだろうか。

それは、優越感だろうか。 

私に突然離婚を言い渡す前に、伝えるべきことは他にあったのではないだろうか。

チャイグラスが好きかどうかの確認のわけがない。

バカにしないでほしい。

 

※チャイグラス、素敵ですよね。

私は、たまたま横浜でやっていたトルコ食器のイベントで、チャイグラスを始めて見ました。

とても綺麗な色で、小さめで、片手に納まる感じも可愛らしくて、ほれぼれしました。

しかも、色々な色合いがあって、とても一つだけを選べない。

そんな印象です。

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