20XX年6月10日
何年か前、夫が懇意にしているボクシングのトレーナーさんが、若手ボクサーのトレーニングとして、タイに合宿に行くというので、家族で同行したことがあった。
夫はもちろん息子も、そのトレーナーさんにボクシングを習っていたので、体力作りの為に合宿に参加したという経緯で、私は単なる付き添いで、観光目的の同行だった。
一緒に行った若手ボクサー達とは夕食など共にしていたので、次第に仲良くなり、息子も懐いていた。
帰国してからも、そのボクサー達の試合を見に行ったりと交流はあり、私もその若きボクサーの子達を応援していた。
朝、その内の一人のボクシング試合が本日開催されることを知った。
当然、私も応援に行きたかったが、夫は自分と息子の分しかチケットを取っていなかった。
いつも、ボクシングの試合に行くときは、家族3人で応援に行っていたので、息子はチケットが二枚しかないことを知り、とても戸惑った様子だった。
息子「じゃあ、、、、ぼくもお留守番しようかな。。
でも、、行きたいな、、、。」
可哀想。。。私のことを気遣う息子が不憫で仕方がない。。
チケットなんて、プラス一枚買えばいいのだ。
その方がチケットの売上にも貢献できるし、夫以外の皆にとって最適な選択だ。
単に、私に嫌がらせをしたい夫。
夫は本当に自分のことしか考えてない。。。
本当に悲しくなる。
私は勿論、息子を気持ちよく送り出す。
「ママは大丈夫だよー!いっぱい応援してきてね!」
翌朝、息子は学校に行きたくないようだった。
私は仕事に行く身支度をしてリビングに戻ると、息子と夫の会話から、それを察した。
昨夜、ボクシング試合から帰宅した時間が遅かったので、疲れているのだろう。
当然、夫のことだ。休ませるわけがないと思うが。。
と、思った矢先、
「コロナ時期だから検査するとか言えば、学校を休んだことにはならないし。」と夫が言った。
・・・・・え?休ませるの? ただの疲労でしょ。昨夜遅くまでボクシング試合に行っていたから。。
夫が息子に言う。
「その代わり、家で何の勉強をやるか、スケジュールを立てろ!」
私は思わず、口を挟んだ。
「学校を勉強をするだけじゃないよ。
友達と遊んだり話したりすることが大切だし、体調が悪いわけでなければ、
最低限、学校は行くべき!」
夫は怒り出した。
「ハ!?
ママの言ってる意味がわからない。
気まぐれで口出ししないで。
こっちは考えてやっていることだから。」
と私に言って、次に、息子に言った。
「この人の言うことは意味がわからないから、
もう聞かなくていいから。」
いつも板挟みにされてしまう息子。
息子は「ママの言うこともわかるから。
じゃあ、これからは月二回までは休んでいいってことにしたい。」
と言って、夫はそれを承諾した。
なんじゃいな、それ。。。笑
・・・・無論、ダメだろう。
息子が私を庇ってくれるのは嬉しいが、ドサクサ紛れのその息子の提案をのんだ夫。
私としては当然賛成出来ないのだが、この状況で私が何を言っても、夫の怒りを加速させるだけだ。
私は二人を置いて、会社に向かった。
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