20XX年7月10日
日曜日の夕方16時、息子が「Aくん（Mさん息子）の誕生日会に行く」と言って、夫と一緒に外出して行った。
近所に住む息子友人（前回の話に出たRくん）の祖父母が運営する飲食店で、毎年、貸し切りにして誕生日会をやっているのだ。
そのRくんも誕生日が近いので、RくんとAくん（Ｍさん息子）の合同バースデーパーティだ。
昨年までは、子供達だけでなく親も招待されたので、私もお手伝いに行き、一緒にパーティを楽しんでいた。
しかし今年は、私はお誘いを受けなかった。
夫だけ招待されたのか？
もしくは、こんな家庭状況とは知らず、夫に声をかければ、当然妻である私にも話が回るので一緒に来るだろうと思われたのか？
いや、Ｍさんが主催側にいるのだ、Ｍさんは私を誘わず夫だけを誘うに決まっている。
これまでずっと、そうだったではないか。
いずれにせよ、私は誕生日会のことは聞かされてなかったので、息子と夫と一緒に行くことはしなかった。
とてつもなく寂しかったので、仲のいいママ友を誘って少しお酒を飲んで帰宅した。
夜20時、まだ夫と息子は帰宅してなかった。
私はお酒を飲んで眠くなったので、少しのつもりで横になったら眠ってしまった。
ふと目を覚ますと真夜中の0時だった。
しかし、なんと、夫も息子も帰って来てない。
明日は学校がある。
いくらなんでも、ここまで遅くなるはずがない。
毎年開催されるその誕生日会は、遅くても夜22時には終わっていた。
大人がいるのだから、当然、遅い時間になればお開きにするよう促すに決まっている。
動悸がしてきた。
何か、事件に巻き込まれたのだろうか？
慌てて、息子の携帯に電話するが出ない。
気は進まないが、夫にも電話したが出ない。
大怪我でもして病院に行ったとか？
息子の安否が心配で、気が狂いそうになる。
夫よりも気が進まないが、Mさんにも電話してみた。
主催者であるＭさんは、まだ夫や息子と一緒かもしれない。
しかし、やはり電話に出なかった。
警察に電話した方がいいだろうか。
そうだ、気が動転していて忘れてた、息子のGPSを見てみよう。
すると、息子のGPSでは、近所の公園を示した。
え、、、、こんな時間に公園にいるわけない。。。
ますます、気が動転する。
とにかく、GPSが示す場所に行ってみることにした。
部屋着のまま慌てて家を飛び出した。
公園に向かう途中、もし誘拐犯？とか怖い人達がいたら、私一人では立ち向かえないかもしれないと考え、警察に電話することにした。
携帯から警察に発信しようとした瞬間、、、。
息子から着信があり、急いで電話に出た。
私「どこにいるの？！」
息子「Aくんの誕生日会してる」
私「？？？こんな時間まで？
何時だと思ってる？もう夜中なんだよ？」
息子「うん、そうだけど」
私「他に誰かいる？大人はいないの？」
大人だったら、こんな時間まで公園で誕生日会をやらせるバカはいないので、子供しかいないのかと思い、戦慄した。
息子「最初から、僕とパパ、AくんとAのママしかいない。」
え、、、、毎年恒例の誕生日会じゃなかったのか。。。
私「とにかく、今その公園に向かってるから。」
と言って電話を切った。
公園の手前まで来た時、一人出てきた男の子が見えた。
息子である。
私「どうしたの？一人？パパやMさん達は？」
息子「パパが、先帰れって。」
どうやら夫は、私がMさんと鉢合わせて余計なことを言わないように、息子を先に帰したようだった。
許せない。
ここまで来たら、言わずにはいられない。
私は息子に、「こんな非常識なこと、ありえないよ。
私、パパとMさんにちょっと話があるから、先帰ってて。」と言ったが、
息子は「一人で帰るのは怖い、一緒に行く」と行って、付いて来た。
確かに、こんな真夜中に息子を一人で歩いて帰らせるわけにはいかない。
夫が息子に「先に帰れ」と言ったのは、相当判断が鈍っているとしか思えない。
大方、Mさんを守るためだ。
また、バースデーパーティと銘打って、夫とMさんの逢瀬に付き合わされていたのか。
可哀想な子供達。
次の日は学校だと言うのに、現在0時30分だ。
公園につくと、暗闇の中で、夫とMさんがレジャーシートやらの片付けをしていた。
暗すぎて、夫やMさんの表情も見えない。
こんな真っ暗な公園で、子供達は一体何が楽しいと思うのか。
私は、夫とMさんに向かって叫んだ。
私「何時だと思ってるの？！」
二人は無視して、片付けを続けている。
余りの太々しさに驚く。
私はMさんに向かって言った。
「Mさん、ありえないですよ！
何時だと思ってるんですか？明日は学校があるんですよ？！」
すると、またしてもMさんは無視して片付け続けている。
私がMさんを非難したことで、夫が怒った。
夫「てめー！何言ってんだよ！
ふざけんなよ！！」
夫が怒鳴りながら、私に近づいて来た。
さながら、彼女を守る彼氏のような様相に、吐き気がする。
私は夫に言った。
「こんなことして、あんた、親の資格ないよ。
もうあんたに、息子は任せられない。
家にもう帰ってこないで！」
夫は酔っぱらっているようで、何か叫んでるが意味をなさない。
私「もう警察にも電話したよ。」
本当はまだ警察には電話してなかったが、事の重大さを鈍い二人に伝える意味で言った。
するとそれを聞いて、Mさんの息子Aが言った。
A「あ、だからさっき、警察官来たんだ」
やっぱりな。。。こんな真夜中に、公園でピクニックしている人がいたら、そりゃ警察も声かけるわよな。。。
とにかくもうここには用はない。
私は息子に「もう帰ろう」と言って、一緒に公園を出た。
帰り道、私は息子に言った。
「こんな真夜中に公園でピクニックって、本当に親がすることじゃないよ。
もう、私と二人で暮らさない？」
息子は悲しそうに首を振った。
息子「パパと離れたくない。
このままでいいから、ここで、皆で暮らしたい。」
かなり、難しい。
でも、息子の気持ちがわからないわけではない。
もう夫に息子を任せたくないし、家族として一緒に生きていくことは、私にはかなり難しくなってきてしまったが、どういう形にすればいいのか考えなくていけない。
家に着いたが、気持ち的にもう夫に家に入って来てもらいたくなくて、ドアチェーンをかけた。
すると、息子が「それはやめて。」と言ったので、チェーンは外した。
もう1時近くなので、息子にすぐ寝るように促した。
しかし、息子が寝付く前に夫が帰宅した。
私は静かに、夫に言った。
私「今は、息子がまだ起きてるから話さないけど、ありえないことだよ。
このことは、二人の時にちゃんと話そう」と言って、私も寝ようとした。
すると、酔っぱらっている夫は突っかかって来た。
夫「ありえないって、何のことですか？」
私「何って、こんな時間に子供を公園にいさせるなんて、ありえないことでしょ」
夫「それ、あなたの主観ですよね？」
え？なに？ヒロユキの真似？
私の気持ちを逆なでする夫の言動に応戦してはいけない。
私は息子に「早く寝よう、明日学校なのに起きれないよ」と言った。
息子「明日学校行かないよ。
Aくんの誕生日は明日だから、Aくんも学校休んで、また皆で遊ぶんだって。」
驚愕する。
戦慄の事実。
学校休ませて、遊ばせる、、、、、？
誕生日会って二日もやることなの？学校休んでやるもの？
頭わいてんの？夫もMさんも。
私は「学校を、遊ぶために休むのは良くないと思うよ」とだけ二人に言って、寝室に向かった。
もう本当に疲れきっていたのだ。
肉体的にも精神的にも、疲れてしまった。
夫が無造作に置いた沢山の荷物に目をやると、レジャーシートや食べ物を入れていたタッパーなどと一緒に、テキーラの空瓶が転がっていた。
750mlのボトルを、夫とMさんの二人で飲みきったのか。
時間の感覚もなかったんだろうな。
人の親として、心から軽蔑する、二人を。
私からしたら、この出来事は、夫とMさんの二人による子への虐待にしか見えなかった。
※今回、息子の居場所がわかったのは、完全にGPSのおかげでした。
携帯を持たせても、充電が切れたり、音に気付かなかったり、電話に出てもらえない限りは連絡が取れません。
そんなとき、GPSの存在は心強いです！是非、お子様の安全の為にもGPSは必需品です。
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