真実は一つじゃないかも

20XX年1月9日

前日の夫の暴言が忘れられない。

朝早く、夫は息子を叩き起こして出かけて行った。

どうやら夫が通っているスポーツジムに、息子も連れて行ったようだ。

夫と息子が朝11時に帰宅。お昼ご飯を食べて、またすぐに外出するという。

夫が主催しているスポーツクラブ(毎週土曜日に区営運動場で、子供にスポーツを教えている)が13時からなので、毎週そこに息子も連れて行くのだ。

ハードスケジュール。。

お昼ご飯を作っている間、息子はYouTub〇を見ようとした。

すると夫は、息子に「勉強したら?」と言った。

息子は、「朝からで運動して疲れたし、ゆっくり自由にしたい、夕方帰ったら勉強する」と言った。

私からしたら当然の言い分に思えたが、夫の表情は曇り始めた。

夫「そんなこと言って、いつもやらないじゃん」言い終わる前に、夫はキレ始めた。

「今やれ!!」

と、強制的に息子に勉強をさせようとした。

すると息子は、「少しも自由な時間がない。。」と言って泣き始めた。

夫は、泣くと更に怒り出す習性がある。

相手は私だろうが、息子だろうと関係ない。

それは息子も知っていることだった。

息子は夫に涙を見せないように、急いで私のところに来て、私の膝に顔を埋めて、声を押し殺して泣いた。

私は夫に、「息子は疲れているので、今日の午後のスポーツクラブは一人で行って。今日は息子を休ませる。」と言った。

私は、横で怒り狂っている夫にはもう相手にせず、息子を抱きしめ続けた。

するとしばらくして、夫は諦めて出て行った。

午後は、久しぶりにゆっくりと、息子と二人で時間を過ごすことが出来た。

ここ数日、緊張した顔をしていた息子の表情が緩んできて、夕方には昔のように明るい面持ちになった。

このとき、私も息子も、夫について特に何も話さなかった。

ただ一言だけ、息子が私につぶやいたことを除いては。

「パパは、心の病気になっちゃったの?」

夫は昔はもっと穏やかで優しい人だった。あまり話さないタイプで、大きな声で怒ったり、ひどい言葉で人を追い詰める人ではなかった。

少なくとも、夫と出会ってからの印象としては、モラハラとはかけ離れた人だということだ。

息子はもちろん、私も、ここ最近の夫の様子に驚いているし、受け入れられないのだ。

いつからそうなのか。

離婚したいと言い出した昨年末の12月21日はすでに夫は様変わりしていた、ように思う。

ではいつなのか。

コロナ渦で、昨年の冒頭1月あたりから夫はフルリモートで仕事をするようになった。

ちょうどその頃、息子は新小学4年生として受験勉強が本格化する時期に差し掛かった。

フルリモートの夫が、息子に熱心に勉強を教えるようになったのは、この頃である。

この頃から、夫が息子に勉強を教えるときの態度や言葉がひどいことに気づくようになり、私が日々夫を注意するようになったのだ。

夫が徐々に変わってきたのは、この頃ではないだろうか。

夫が突然離婚を言い渡してきたこと、それまで穏やかで優しいタイプだった夫が徐々に変化してきたこと、何か関連があるのかさえもわからない。

リアル・謎解き状態になってしまった。。。

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