遠い人

20XX年1月3日

正月の帰省。

夫の実家で、子ども達が家の中で過ごすことに飽きてきたので、夫が子ども達を散歩に連れて行った。

家で待っている間、義母も義父も私を心配して、それとなく離婚話が出た後の生活について話を聞いてくれた。

しかし、年末の夫の実家での話し合い以降は、何も進展がなかったので、特に話せることはなかった。

例のママ友(夫との関係が怪しいシングルマザー)の話、してみようかな、、、?

一瞬迷ったが、不貞の確証もないし話が大事になっても困るので、話すのはやめた。

その時、Googleフォトにまた新たな写真が追加された。

夫の携帯で撮った写真は、Googleフォトに自動保存されるのだ。

追加された写真を見ると、子供たちと散歩に出かけた夫が、途中でお菓子を買ったようだ。

お菓子についている説明書(そのお菓子について書かれた紙)を撮った写真だった。

パネットーネ(クリスマスから正月あたりに食べるイタリアのパンケーキ)を買ったようだ。

何ていうこともない写真だと思ったが、その後、小さな違和感を感じることになる。

散歩から帰った夫はパネットーネを持っていなかったのだ。

不思議だなと思いつつも、夫に尋ねようがなく、その違和感はスルーすることになった。

相変わらず、夫の携帯にはメールが届く音が盛んにするし、度々外に出ては電話している様子は気になるものの、今の私には「誰と連絡とってるの?」と聞くことも出来なかった。

夫のその様子は嫌な予感しかないのだが、関係を修復するためには、いちいちそんなことを聞いたりして、夫の気分を損ねてはいけないし、とにかく余計な火種を作りたくなかったのだ。

こういう時、どうすることが正解なのだろうか。

修復するために、話し合いをしようとしても、夫の口からは離婚一択しか出てこない。

日常の生活で、できるだけ心地よい会話やスキンシップを増やしていこうと思っても、夫は常に他の女性と携帯でメールをしたり、電話をしに外に出て行ってしまう毎日

夜10時くらいに外出し、夜中3時くらいに家に戻ることも増えてきた。

夫と私の絆はどんどん薄れていき、お互いが遠い存在になっていくのを、日に日に感じてしまう。

この時、私はまだその状況を全く受け入れずにいた。

受け入れることが出来ないことは、苦しい。

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このような状況下では、夫の不貞を疑いながら、夫との復縁を頑張るのか、離縁すべきなのか、考えることも受け入れることも辛いです。

でも、どんな結果を選ぶ、もしくは受け入れるためにも、真相は知りたい。

だからこそ、私は探偵事務所を探しました。

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